
ストーリー
GENSENをはじめるにあたり
河合電器製作所も初めから今のような組織だったわけではありません。
いわゆる町工場で電気ヒーターをいかに早く・安く・品質良く作り、
お客さまに提供できるかで事業をおこなってきました。(良いものをより安く・より早くですね。)
価格で他社と競ったり、徹夜をしてヒーターを作ったり、
お客さまで不良が発見されれば選別に伺うこともしばしばでした。
工場には腕のいい職人がたくさんいました。
日本の多くの製造業が同じだったのではないでしょうか?
日本の製造業の海外進出が加速する中、河合電器製作所は国内生産にこだわり、
ものづくりを磨いてきました。
お客さまの海外進出にともない、大きな売上を失う経験もしました。
幸い大量生産から少量多品種に変化でき、オーダーメイドが強みのメーカーとなりました。
今では電気ヒーターを設計、製造するだけでなく、
熱のプロとしてコンサルティングや熱解析、UL/CE規格の取得サポートなど、
メーカーの枠を超えた企業となりました。
事業の変化には、社員一人一人が自分の能力を最大限に発揮し、
自ら考え、行動することがとても大切です。
大量生産にはトップダウンの組織が最適ですが、少量多品種や新しいサービスを実現するには、
一人一人の強みを掛け算し、新しい価値を生み出す力が必要です。
どうしたら一人一人が自分の能力を最大限に発揮し、強みを掛け算できるのか?
一つ目は「好きのエネルギー」です。
人は好きなことに一番力が発揮できるものですよね。
寝る間を惜しんで読書をしたり、ゲームをしたり、時間を忘れてやってしまうことがありませんか?
誰かに言われたわけではなく、どうしてもやってしまうこと。
自分の内側からエネルギーが出ている状態、これは仕事も同じです。
自分の内側から溢れる「好き」で仕事ができたら、誰もが個別の力を発揮できるのです。
二つ目は「心理的安全」です。
人は自分の居場所があることで安心し、力が発揮できます。
「ここに居ていいよ」と感じること、「周りから必要とされている」と感じることで
大きな安心感を得ます。
従業員同士の業務以外の会話やご飯を一緒に食べる、場を共有することが心理的安全を築いていきます。
三つめは「抽象的思考」です。
抽象的思考を磨くことで、視座、視野、視点が増えていきます。
QCDやPCDAなど、仕事は具体的な事柄が多いです。
Aをやって、Bをやって、Cをやって、一日が終わります。
具体の繰り返しでは新しい価値は創造できません。
たとえば、答えのない問いを一緒に考える、自然と向き合う、アートに触れる感性を磨くといった
業務以外の時間をつくることで抽象的思考が少しずつ培われていきます。
河合電器製作所は、「好きのエネルギー」「心理的安全」「抽象的思考」を磨くため、
さまざまな研修・研鑽・プロジェクトなどをおこなっています。これまでの経験から、
回り道に見えても、確実に人が育っていく土壌となる動きであり投資だと考えています。
これからもこれらの活動をゆっくり時間をかけておこなっていきます。